98:洗濯機3

 芦屋の叔母ちゃんの豪邸にはミキサーやピアノなどいろいろあるが、電気洗濯機はなかった。お手伝いさんがいるから不要なのかも。「オルガンとピアノは弾き方が全然違うねん。ピアノを習ても、家でオルガンで練習してたら上達せえへんえ」と叔母ちゃんに言われて、母は洗濯機を選ぶことにした。オルガンを買っていれば、私の音痴がかなり矯正されたのではと思うと少し残念だが、電気洗濯機の購入によって母は大幅に家事を軽減できたにちがいない。
 我が家の最初の洗濯機は、後に普及した噴流式(渦巻き式)と違い、『撹拌式』といって、真ん中に撹拌棒が立っている。噴流式は翌53年に三洋電機が発売したのが最初だそうだ。撹拌式の発祥はアメリカであることを、20年以上たってから知った。1970年代にアメリカのコインランドリーを利用したら撹拌式だった。撹拌式は真ん中の棒が右に回ったり左に回ったりしているだけなので、こんな悠長な動きで洗濯物の汚れが取れるのかと、母は半信半疑だったらしいが、洗い上がってみると手洗い並みにきれいになっていて、母が驚嘆の声を上げたのを覚えている。我が家より2年ほど遅れて、近所の山本さんも洗濯機を購入した。山本さん宅のはすでに噴流式で、ローラー式の絞り機も付いている。

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