99:絵画教室1

 母は兵庫県T市に転居後すぐに私を幼稚園に入れるつもりだったらしいが、私は拒否した。近所の子供達が誰も幼稚園に行っていないのを見て、通園は義務でないことに気付いた。姉のいち子を見習って教育ママになろうと張り切っていた母はさぞかし残念だったろう。「ほなら、せめて習い事でも」と、近所の絵画教室に入れることにしたようだ。ちなみにいち子の息男の修平は、絵と習字とそろばんとハーモニカの塾に通っていた。ハーモニカの吹ける子供は珍しいので、小学校高学年のときラジオに出演して独奏した。彼男は、ピアノの黒鍵に当たるハーモニカと普通のハーモニカの2本を上下に重ねて演奏できる。
 絵画教室は大阪の大宝幼稚園と違って楽しい。絵を描くのは元々好きだから。親と外出して大人の会話に退屈したときは、父の手帳などに鉛筆で絵を描いて遊んでいたくらいだ。絵画教室は民家の一部屋で開かれている。修平の通う書道教室についていったら寺の中で驚いた。さすが京都! 私の通う絵画教室では、ロの字形に並べた座り机の外側に数人の子供達が座って、真ん中に置かれた静物をクレパスで写生する。『クレパス』はクレヨンより軟らかくて塗りやすい。幼稚園から小学校2年まで、図画の授業はクレパスだった。私の子供達は、幼稚園時クレヨン、小学校入学直後から水彩絵の具なので、彼らはクレパスを知らない。

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